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スポーツでは、機能性よりイメージ戦略・・・だったはずだが・・・

2009年05月24日

先日開催された「日豪対抗水泳(正式名ではないかも・・・)」の男子200メートル背泳ぎで、脅威の世界新記録をマークした入江陵介選手(近畿大学)の記録が、着用した水着が国際水泳連盟(FINA)で認可されていないことを理由に、世界新記録として認められない、といった前代未聞の問題に発展していますよね。これに関する詳細は、「asahi.com(朝日新聞社)::入江の水着認可外 どうなる世界新」で確認することができます。

競泳の入江陵介(近大)が日豪対抗の男子200メートル背泳ぎで従来の世界記録を上回る1分52秒86をマークした際に着たデサント社製水着を、国際水泳連盟(FINA)は認可せず、修正のうえ再提出を求めた。FINAは日豪対抗での入江のタイムについて「手続き中の事例でコメントできない」としているが、世界記録として公認しない可能性がある。

問題の水着はラバー製で、水や空気を通さない。素材自体は浮力や厚さなどの基準を満たしていたというが、水着内に空気をため込むことをFINAは問題視したようだ。

上記の記事によれば、昨年の北京オリンピックで問題になった英スピード社のレーザー・レーサー(LR)は織物素材で認可され、ラバー素材やポリウレタン素材の水着は認可しない、ということらしいのですが・・・素材によって、認可、不認可を決定する、というよりは、水着としての新素材を評価しているというよりは、水着そのものに対して評価しているので、認可・不認可の問題はまだまだ続きそうです。

水着を「道具」として捉えるのは、ちょっと早計かもしれませんが、水泳競技の道具としての最も基本的な機能と考えられる「より速く泳げる」といったことを、企業戦略として軽視してきた「つけ」がまわってきたと考えて良いのではないでしょうかね。

こうした状況は、ちょっと古い記事になりますが、とても興味深い記事がありますので、ご紹介しておきましょうね。それは、「日刊サイゾー::一流選手を金で買う大企業 虚飾のスポーツブランド戦争(前編)」「日刊サイゾー::一流選手を金で買う大企業 虚飾のスポーツブランド戦争(後編)」です。

今夏の北京五輪を前に、スポーツ界に激震が走っている。日本水泳連盟はミズノ、デサント、アシックスと2012年までのサプライヤー契約を交わし、その体制で北京五輪に臨むつもりでいた。しかし競泳日本代表の現場などから「世界新記録を多数出し、着用テストで日本代表選手が0.5秒もタイムを短縮できた英スピード社の新作水着“レーザーレーサー”を着用できないのはいかがなものか」という声が上がり、契約を見直す動きが活発化しているのだ。

個人契約ではなく、連盟が契約してたというのもちょっと驚きですが・・・この契約は、個人競技である水泳において、各選手の「水着選択の自由」を奪っていたのですが、企業としては、選手を丸ごと抱きかかえることができるのですから、こうした契約は、都合が良い!

ただ、城の記事では、過去を以下のように振り返っています。

いかにスポーツ用品メーカーが鮮烈な写真や映像を大量にばらまく手法を採っていたとはいえ、根本には、機能面を重視した商品開発があり、職人が自負する高い品質を保証したうえでの広告合戦だった。

即ち、基本的な「道具の機能を追及するための商品開発」を軸に、ある時は採算度外視の戦略があったのです。ところが、そうした「昔の良き時代」から以下のように変化していくようです。

ただ、競技性を追求したスポーツ用品の次の展開が、“カッコイイ”イメージであることをいち早く見抜いたナイキは、勝負の軸をファッションに変えてしまう。

そこから、イメージ戦略のための莫大な契約料が飛び交い、選手の囲い込みや引き抜き合戦が激化していく。

こうしたイメージ戦略が、残念ながら競泳競技で露見してしまった感がありますが、水泳だけではありませんよね。そうしたことは!

スポーツ選手の写真を撮るとき、「すみません、着替えていいですか?」と待たされることがよくある。契約ブランドのウェアでなければ、公に登場することができない縛りがあるからだ。つまり、トップアスリートのカラダは、頭のてっぺんからつま先まで、選手自身だけのものではなくなってしまっている現状がある。

こうした傾向は、水泳に限りませんからね・・・

あくまでも契約事であるから、互いの力関係は状況によって変動するはずだが、いずれにしろ、メーカーにとってトップアスリートとの契約が死活問題であることは確かなように思える。

(中略)

競技場の外にある「企業の思惑」が、日程や勝敗を「操作」し、現場に露骨に影響を与えたなら、観る者の気持ちは一気に醒める。ビジネス化が行き過ぎれば、アスリートとメーカー企業の関係性は歪んだものとなり、「本当は絡むのは嫌だけれども、契約料をもらえるから仕方なく関係を受け入れる」という“メーカー=必要悪”に堕してしまいかねない。

(中略)

公平に選出されたベストコンディションの選手たちによる競技の実施と、多額の投資を回収するための企業活動。それらを正しく均衡させることが、スポーツを取り巻く産業に突きつけられた課題なのではないだろうか。

結局のところ、企業側として、本来の競技に対する公平性やベストコンディションでの競技実施をどうやってとらえて、そうしたことを前提とした企業戦略をどうやって構築するのか・・・そんな基本に立ち返る必要性が再度出てきたと考えて良いのではないでしょうかね!?

我々コンサルタントは、スポーツビジネスに関わらず、各企業における「本質」を明確に理解する、または明確に定義することによって、何を、どうやって実現し、クライアントの利益を拡大していくかを考える必要がありそうです。

今のコンサルタントの多くは、最先端のソリューションに走り、上述した「本質」を全く無視してのコンサルテーション(私個人としては、ソリューションの提供にしか見えませんが・・・)を実施する必要がありそうですよ。

コンサルタント ,

企業哲学は戦略に勝る!「エコ・カケハシ」の事例

2009年05月13日

以前、本ブログの投稿記事「コンサルタントはゴルフがお好き!?:「エコ・カケハシ」開店!」でご紹介した友人の「かけさん」ですが、先日御自身で運営するショップサイト、「Cute Garden」を開始しました。

「お店はね、唯一、祖父が昔言っていた「とにかく、企業というのは、地球に優しいことを実践しなきゃいけないよ。そして、社会に貢献しなきゃいけない!」の教えを徹底して守っていきたいんだよね。利益を追求することも重要なんだろうけど、この地球にやさしいこと、社会に貢献すること、の路線を絶対にはずさない!」

これが「かけさん」の企業哲学です。この哲学を徹底していると、「地球にやさしい」と「社会に貢献する」いうことでの商品選定やサービス提供が自然と見えてくる・・・大企業が忘れてしまった「企業哲学」を改めて考え直す必要がありそうです。哲学があれば、自然と戦略が見えてくる。重要なことですね。

「かけさん」は、「地球にやさしい」から「オーガニックコットン」の商品を扱うことにした、と嬉しそうに話をしていたのですが・・・なんと、2009年5月11日の読売新聞に「オーガニックコットン」に関する記事が掲載されていました!ウェブを調べると、「YOMIURI ONLINE(読売新聞)::オーガニックコットン」として掲載されていました。

環境問題への関心の高まりを背景に、農薬や化学肥料を使わない有機的な栽培方法のとられた「オーガニックコットン(OC)」が注目されている。染料を使わない生成りの製品が多く、肌触りの優しさも特徴だ。

OCとは、3年間農薬や化学肥料を使っていない畑で栽培された綿花のこと。一般的な綿花栽培では害虫を防ぐ目的のほか、機械でつみ取る前に邪魔になる葉を落とすため、農薬が使われている。土壌や地下水への影響を考え、こうした農薬を使用しない綿製品を増やそうという動きが世界的に広がっている。

な~るほど!オーガニックコットンってそうした商品なんですね!確かに、「地球にやさしい」素材のようです。「かけさん」によれば;

オーガニックコットンは、 アトピーやアレルギーの方には特にオススメの商品です。柔らかいタオルで洗い、拭くことで、これまで感じていた痛みやストレスを軽くすることができます(Cute Garden のホームページより

実は、「乾燥肌」の方にもとても良いそうで、つるつるになるそうですよ。オーガニックコットンに注目した「かけさん」は、先見の目があったということでしょうか。企業哲学というのは、戦略に勝るだけではなく「運」までもってくるのでしょうかね!?

見習う必要がありますよね!

人間観察 ,

2009年、企業戦略に大きな影響を与えるテクノロジー10選

2009年01月09日

アメリカの調査会社である「ガートナー::Gartner」が、「2009年の企業戦略に大きな影響を与えそうなテクノロジのトップ10」を発表した、との記事が、「ZDNet Japan::2009年の企業戦略に大きな影響を与えるテクノロジ10選」に掲載されました。ガートナーは、我々コンサルタントは無視できない調査会社ですよね(といっても、私はあまり気にしないのですが・・・)

では、その「トップ 10」をリストしてみましょう。

  1. 仮想化
    ハードウェアからソフトウェアまでの各層において、ある視点から見て下位に位置する機構を仮想的な実装として実現する姿を指す。
  2. クラウドコンピューティング
    インターネットを通じて提供されるサービスやストレージなどのコンピュータリソースを、ユーザーが特にリソースの所在を意識することなく利用するという、コンセプトのことである。
  3. (ブレードサーバの次に来る)サーバ
    サーバが進化することで、キャパシティのプロビジョニング(容量の設計や管理)が簡単に行えるようになるだろうという。このため、企業はメモリやプロセッサの能力といったさまざまなリソースの使用状況を個別に追跡し、必要に応じて増強することができるようになるという。
  4. Web指向アーキテクチャ
    Webを核とするテクノロジや標準はエンタープライズ向けコンピューティングモデルに影響を与え続けるという–今後5年間で企業におけるサービス指向環境の利用は拡大する。
  5. エンタープライズマッシュアップ
    アプリケーションアーキテクトやITリーダーはエンタープライズマッシュアップをもっと探求すべきである。
  6. 専用の機器を置き換えるようなシステム
    従来であれば専用の機器が用いられていたようなハイパフォーマンスコンピューティング分野において、異種結合されたサーバシステムを用いて処理を行う傾向が見られるようになってきている。
  7. ソーシャルソフトウェアとソーシャルネットワーキング
    企業が従来のWebサイトやアプリケーションにソーシャルな側面を付加することを検討すべきである。企業が時代の流れから置き去りにされないよう早期にソーシャルプラットフォームを導入するべき。
  8. ユニファイドコミュニケーション
    アプリケーションが標準的な既製のサーバや一般的なOSを利用したものへとシフトしていくことで、通信業界の大規模な再編が起こる。
  9. ビジネスインテリジェンス(BI)
    企業のビジネスパフォーマンスを加速、変革させ得るその力を引き続き重要視。ビジネスインテリジェンスを使うと、ビジネスから生み出されるデータを集め、十分な情報に基づいて決定を下すことができる。
  10. グリーンIT
    環境保護のための規制は厳しくなってきており、企業のデータセンター構築にも大きな制限が課される可能性がある。

個人的には、「仮想化」、「Web指向アーキテクチャ」、そして「ビジネスインテリジェンス」の3つに関しては、注目しています。というか、2008年から既にその傾向がありましたよね。今更、ちょっと遅いような気がしますが。

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ビジネスに「戦略」なんていらない

2009年01月03日

平川克美平川克美サポート以前から購入してあった平川克美[1]著「ビジネスに「戦略」なんていらない」(洋泉社新書:2008年6月)平川克美サポート2を読み始めました。最近は、ビジネス書を読もうといった気力がなくて(内容的に面白くない、というのが本音ですが・・・)、仕事に活かそうとしての読書よりも、自己啓発のためや知識のための読書が多くなっていますから、久し振りのビジネス書・・・ただ、平川克美氏は、確かにビジネスマンですが、もともと内田樹氏の親友と知って興味が湧いてきただけなんですよね。

新書のタイトルも刺激的ではありませんか?アメリカ在住の時に、知人のコンサルタントが、「I hate the word of “strategy,” because it was used in the war.」と主張していたことがあって、ビジネスで利用すべきではないとか。平川氏も表面上は全く同じ理由で、ビジネスにおいて、戦争で利用される「戦略」といった」概念を利用すべきではない、というものです。

しかし、この平川氏は、それだけに留まりません。ビジネスそのものを再考し、持論を大いに展開しています。特に序盤で展開される「会社の哲学」に対する考え方は、是非ともコンサルタントが知っておくといいのではないでしょうか、と思うのですが、意外とやり手の、しかも若いコンサルタントには受け入れがたい考え方かもしれませんね。

ちょっと目次をリストしておきましょう。

  • 序章 わたしがビジネスを戦争のアナロジーで語らない理由
  • 第1章 ビジネスと言葉づかい―戦略論を見直すために
  • 第2章 ビジネスと面白がる精神―会社とは何か
  • 第3章 見えない資産としての組織―組織とは何か
  • 第4章 プロセスからの発想―仕事におけるゴール、プロセスとは何か
  • 第5章 モチベーションの構造―人が働く本当の理由
  • 第6章 一回半ひねりのコミュニケーション―なぜ、「なぜ働くのか」と問うのか
  • 第7章 それは何に対して支払われたのか―評価とは何か
  • 第8章 攻略しないという方法―新しいビジネスの哲学として
  • 付章 内田樹君とのビジネスをめぐるダイアローグ

付章に関しては、ちょろっと掲載するよりは、もっととことん内田氏とのやり取りをして頂いて、内容をを掲載して欲しかったのですが、とっても残念ですね。それ以外の章は、全てじっくりと読み解いていきたい感じがしますが。

残念ながら、私もコンサルタントとしてクライアントに接する時には、利益をどうやって最大化するのかを徹底的に探します。コンサルタントの仕事しては、それで良いのかな!?ただ、私の場合、「サラリーマン」ですから、所属する会社の哲学は知りたいですよね。私個人としては、コンサルタント業に対する哲学は持っていると信じていますが。

ただ、「哲学」が何かがいま一つ理解していない・・・

この新書、通常の「ビジネス書」とちょっと違った趣向があり、コンサルタントしても読了しておくのが良いかも。ちょっと新しい考え方を与えてくれると思いますよ。こうした内容の書籍をもっと読みたいな・・・

脚注:[1]
平川克美(ヒラカワカツミ)
1950年東京生まれ。早稲田大学理工学部機械工学科卒。77年、外国語翻訳サービス、日米IT関連企業へのローカライズサービスを提供するアーバン・トランスレーションを設立。99年、アメリカ・サンノゼ市にビジネスサポート、インキュベーションを主業務とするBusiness Caf’e, Inc.を設立。2000年、ビジネスカフェジャパンを設立、現在、同社社長。01年、リナックスカフェを設立し、現在、同社社長。07年、ラジオカフェの創業に携わり、同社取締役プロデューサーとしてラジオパーソナリティを兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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