【注意:2010年02月26日】
メールにて、誤記を指摘して頂きました・・・本来は、メールにてご挨拶するのが正しいとは思いますが、大袈裟になってしまうような気がしたので、下記、修正を加えました。本投稿記事を持って回答させて頂きました。
【修正投稿記事】

行きつけの書店で偶然見かけた岩井克人著「会社はだれのものか」(平凡社:2005年6月)
を一気に読了。ちょっと昔!?の出版ですが、ビジネス書ではあるものの今でも十分に通用する内容で(というより、今だからこそ有益!?)、いろいろと興味の惹かれる部分の多い書籍でした・・・
内容は、2005年のライブドアとフジテレビのニッポン放送をめぐる買収合戦の概要から話が始まっています。まだ、記憶に新しいと思いますが、コンサルタント各氏も、「あの事件」はいろいろと考えさせられたのではないでしょうかね・・・特に「企業買収コンサルタント」とか「M & A コンサルタント」とかがもてはやされていた時期でもありますからね。
実は、現在マイブームである内田樹氏が親友と称する平川克美氏と書いた書籍、内田樹、平川克美著「東京ファイティングキッズ」(朝日文庫:2007年5月)
において、平井克美氏は平川克美氏は「岩井克人[1]氏の書籍を熱心に読んでいる・・・」という対談が掲載されていて、一度平井氏の書籍は読んでみたい一度岩井氏の書籍は読んでみたい、と考えていたんですよね・・・もともとは、経済学が専門のようですが、「企業」抜きの経済は成り立たないといった信念!?をお持ちだということでしたから。
さて、内容はというと・・・「会社」とは何か、という根本的なことを題材に、株主主導型の企業のあり方は、どうしても日本の風土には合わない・・・という展開です。所謂、「人」重視の会社論。正確に表現すると、会社法に従って規定された「法人企業」とは、「物」ではなく法律上「人」であって、お金で売買するべきではない、というのが根底に流れています。
上記のような内容は、コンサルティング業務に直接役にはならないかもしれませんが、話題性とその内容の深さから一度は理解しておいた方が良いかもしれませんね。
それと、日本的経営に関しても、市場で言われている「終身雇用制」、「年功序列制」、「会社内組合制」の3つに加え、4つ目として「メインバンク制」を主張しています。な~るほど!流石は、経済学的な視点だな、と思い知らされましたね。
今のこの時代だからこそ、こうした「会社はだれのものか」を真剣に考える必要がありそうですね。
脚注:[1]
岩井克人(イワイカツヒト)
1947年生まれ。専門は経済理論。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学 Ph.D.。イェール大学助教授、東京大学助教授、プリンストン大学客員準教授、ペンシルベニア大学客員教授などを経て、89年より東京大学経済学部教授。2001年より2004年まで同学部学部長を務める。”Disequilibrium Dynamics”にて日経・経済図書文化賞特賞、「貨幣論」にてサントリー学芸賞、「会社はこれからどうなるのか」にて小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
上記、小林秀雄賞に関しては、本ブログの投稿記事、「コンサルタントは、芥川賞や直木賞よりも「小林秀雄賞」?」を参照して下さいませ。
書籍紹介
岩井克人, 日本的経営

書籍、三枝匡、伊丹敬之著「「日本の経営」を創る」(日本経済新聞出版社:2008年11月)
を再読することが日課になっている私ですが(って、それほど真剣に再読しているわけではないのですが・・・)、伊丹敬之氏が主張する「日本的経営に関する3つの原理」は、興味深い点が多いようですので、ちょっと覚書としてリストしておきたいと思います。
それぞれの原理に関しては、簡単な説明はありますが、それぞれが独立した書籍になっていますから、興味があれば詳細を知ることができそうです。ちょっと気になるのは、下記リスト中、文庫本である「人本主義企業」は既に絶版となっていて、購入できそうにないことかな・・・
出典:三枝匡、伊丹敬之著「「日本の経営」を創る」(日本経済新聞出版社:2008年11月)、p.155
2009年よりも2010年、さらに不況が浸透し、それこそこれからが日本企業にとっての正念場といった噂もあり、本格的に「これからのあるべき日本企業像」を持っておくことは、コンサルタントにとっては損はないようですけど・・・
知識
伊丹敬之, 日本的経営

以前、本ブログの投稿記事、「日本的経営を再考するかな!?」でご紹介した三枝匡、伊丹敬之著「「日本の経営」を創る」(日本経済新聞出版社:2008年11月)
を早速購入。ほぼ半分を読了しましたが、予想以上に面白い!購入前は、「学者と経営者・・・言いたいことを言い合って、な~んにも結論が出ないよな、きっと!」なんて考えていたのですが、その対談はかなり私にとっては興味深い内容です。
(ちょっとは、コンサルタントらしい書籍を御紹介しないとね・・・)
特に、「アメリカ流経営」に関する掛け合いは、私も7年もアメリカ在住でコンサルタントをやっていましたから、書籍内で語られる数々の経験談が「そうそう!そうなんだよね~」と私に対しては説得力がある!ただどうなんでしょう・・・アメリカでの経験がない方々やアメリカ人やアメリカの企業での仕事経験がない方々には、ちょっとだらだらと会話しているように見えてしまうかもしれませんね。
第1章 アメリカ流経営、九つの弱み
第2章 「日本的経営」も威張れたものではない
第3章 論理化する力・具体化する力
第4章 日本における「経営の原理」
第5章 「創って、作って、売る」サイクルの原理
第6章 人の心を動かす戦略
第7章 事業の再生、大組織の改革
第8章 抵抗勢力との闘い
第9章 失われてきた経営者育成の場
第10章 今、求められる経営者人材
上記が目次ですが、どうやら各章毎に吟味する必要がありそうです。少なくとも私にとっては!また、本書では、三枝氏や伊丹氏がこれまで執筆した書籍に関する背景も記述されていて、他の書籍も読んでみたくなります。
「今時」のコンサルタントにとって、必読の書かもしれません。
書籍紹介
三枝匡, 伊丹敬之, 日本的経営
日本的経営の最先端を走っていたはずのトヨタ自動車が、遂に2009年3月にの決算で戦後初めての営業赤字の見通しだそうです。サブプライム問題、リーマンショック、金融恐慌・・・何かとアメリカの経済の不調が原因のような記述が目立ちますが・・・流石にトヨタ自動車は、それだけに原因を回避することはなかったようですね。
「asahi.com(朝日新聞社)::トヨタ、拡大一辺倒主義を反省 世界基本計画破棄」というウェブページに、以下のような記述があります。
トヨタ自動車は商品展開や販売・生産計画の指針となっている世界基本計画「グローバルマスタープラン」を実質的に破棄する方針を明らかにした。拡大偏重主義に走り、現在の苦境を招いた元凶と判断
この辺は流石ですね!更にウェブページでは以下のような記述がありますよ。
海外展開を積極的に進めるにあたり、社員や部品メーカーに大まかな拡大計画を示した方がよいとの判断で作成した。だが、そこで示された数値を必達目標と受け止める社員が増加。全社的に「プランを重視するあまり、仕事の進め方が計画達成のために向かい、販売や生産の現場の声を聞く姿勢が薄れる」(トヨタ幹部)状況が生まれた。
即ち、計画重視になって、いつの間にかその計画がノルマとなってしまっていて、現場からの「声」を聞かなくなっていた、という反省ですね。トヨタ自動車の神髄は、いわゆる日本的経営で、「現場重視」とか「人材重視」の経営のはずだったのですが、いつの間にか拡大路線、即ち利益主義になっていた、ということですね。トヨタ自動車でもそうした「過ち」を犯すんです。
やっぱり、日本的経営を再構築する必要がありそうですね・・・って、私くんだりが試行錯誤したって始まらないかな。
トレンド
トヨタ自動車, 日本的経営, 朝日新聞, 自動車産業
「派遣切り」とか「金融大恐慌」とか・・・ちょっと暗い話が多いですね。いろいろと著名人の方々のブログも賑わっているようです。「日本的経営が崩れ去り、アメリカ的経営に追随した結果で、以前から日本の企業は窮地に追い込まれる、と私は以前から主張してきた」なんてことを平気で公開していらっしゃるコンサルタントもいますね~どなたかを指摘するのは、本ブログの目的ではありませんから、特別に指摘をすることはしませんが。ただ・・・
そりゃちょっと違うんじゃないの!?と感じてしまうのは私だけ!?少なくとも、我々コンサルタントは、いわゆる「日本的経営」に反発して、一般企業に就職することなく、あるいは一般企業から転職して、コンサルタントを目指した方が多いと思うのですが。そういう意味では、コンサルタントが、以前の「日本的経営」から「アメリカ的経営」への移行を批判するのは、ちょっと御門違いといった感がありますが。
改めて、公開しておきますと、私は「日本的経営」に浸ることに反発して、コンサルタントになりました!生涯アメリカで暮らそうと決意して渡米もしました。そうした「日本的経営」に反発した経緯に関しては、まったく後悔はしていないのですが、上記のような「移行期」に、現役コンサルタントであるわけですから、自分なりに今の日本企業の経営に関する方向性は、明確に描けるようにしておかないとね。
そもそも「日本的経営」とは、「ジェームス・C.・アベグレン::James C. Abegglen[1]」というアメリカの経営コンサルタントがその著書で、日本の経営を欧米に紹介したのが始まり、とされているんです。特に、以下の3点を「日本的経営の3種の神器」とか称して。
- 終身雇用
- 年功序列
- 企業内労働組合
アメリカに追い付け、追い越せの時代であれば、こうした「日本的経営」も良かったんですけどね。どうも、上記のシステムの中には、敗者復活の場が無いわけです。また、アメリカンドリームのようなチャンスもなかった・・・確かに安定した生活は、保障されていたのでしょうけど。
さてさて、ちょっとこの時代、「日本的経営」を再考でもしてみようかな、なんて考えているんです。「古き良き時代」って本当にあったのでしょうか。私は、今だ現役コンサルタントですから、今更「日本的経営」に逆戻りはしたくない!何か新しい日本らしいやり方があるはず!?ですから。
「日本的経営」を勉強するために、ちょっと文献リストを掲載しておきましょう。特に、最初の2冊は必読書!?ですね。
リストの3つ目が最も新しい「日本的経営」に関する文献かな。どうやら、対談集のようになっているようなので読み易いかもしれませんね。新たな「日本的経営」を総括する前に、以前から語られれている「古き良き時代」を理解する必要がありそうです。
脚注:[1]
アベグレン,ジェームス・C.(Abegglen,James C.)
1925年生まれ。シカゴ大学在学中に海兵隊に入隊して日本語を学んだのち従軍。終戦後、アメリカ戦略爆撃調査団の一員として初来日。その後シカゴ大学に戻って人類学と臨床心理学の博士号を取得。フォード財団の研究員となり、ハーバード大学でライシャワー教授らに師事したのち55年に再来日。このとき日本各地の工場を訪問し、日本企業の経営を調査した結果をまとめたのが本書である。59年に経営コンサルティング業界へ転じ、アーサー・D・リトル、マッキンゼーなどを経て、65年ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の設立に参加。BCGでは主に日本事業を担当し、日本支社初代代表をつとめる。パリ事務所の責任者になって日本を離れた時期もあるが、82年からは日本に住みつづけ、コンサルティング会社を経営するとともに、上智大学で教鞭をとった。97年には日本国籍を取得。東京都在住
脚注:[2]
三枝匡(サエグサタダシ)
(株)ミスミグループ本社代表取締役会長・CEO。1967年一橋大学経済学部卒業。三井石油化学を経てボストン・コンサルティング・グループ勤務。75年スタンフォード大学経営学修士(MBA)取得。30代から経営の実践に転じ、赤字会社再建やベンチャー投資など3社の代表取締役を歴任。86年株式会社三枝匡事務所を設立し、企業再生活動に当たる。2002年株式会社ミスミグループ本社社長・CEOに就任。2008年より現職。1991年~2007年の間に計7年間、一橋大学の大学院客員教授などを歴任
脚注:[3]
伊丹敬之(イタミヒロユキ)
東京理科大学総合科学技術経営研究科教授。1969年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。72年カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了、Ph.D.。その後一橋大学商学部で教鞭をとり、85年教授。この間スタンフォード大学客員准教授等を務める。経済産業省等の審議会委員など多数歴任。2005年紫綬褒章を受章。2008年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
書籍リスト, 知識
ジェームス・C.・アベグレン, 三枝匡, 伊丹敬之, 日本的経営
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