「ジェネラル・モーターズ」の崩壊は、既に本ブログで説明しなくとも、市場には山ほど情報がありますので、皆さんが理解されている事実ですよね。ちょっと自分用に興味深い解説を見つけたので、記しておきたいと思います。
それは、「ダイヤモンド・オンライン::ドラッカーが60年前に指摘したGM危機の本質」という特集記事。内容は、ドラッカーの著書、「企業とは何か」をベースにして書かれている内容です。
「ドラッカーは、GM会長のスローンからの要請を受けたドラッカーは、第二次世界大戦中の1943年から1年半の間、GM社内の隅々に入り込み、あらゆることを調べつくした結果」が「企業とは何か」という著書として市場に登場したわけですね。
上述のウェブページで、ドラッカーがGMに興味を引かれた理由は、3つある、とのことでちょっとリストしておきましょう。
- 戦前において25万人、戦後のピーク時にはその2倍という膨大な雇用を誇る米国最大のメーカーであった。
- 大量生産の草分けとして近代産業社会を代表する自動車産業の会社であった。
- 米国企業のなかで「マネジメントと組織」に関わる問題に正面から取り組んでいた唯一の企業であった。GMは近代企業および近代組織の典型だったのだ。
その昔、日本企業がアメリカ企業を追い付け追い越せとして目標にしてきたのもGMやフォードといったアメリカの企業だったんですよね。上記のリストにもあるように、「近代産業社会を代表するのが自動車産業」だったわけです。そして、ドラッカーは、以下のことを解き明かしたとしています。
ドラッカーが解き明かしたことをひと言で言えば、GMが成功させた巨大企業における「分権制の組織と原理」だった。それまで、マネジメントと組織の概念、手法を体系的、実証的に研究した事例も学者も皆無だった。そうしたジャンルそのものがなかったのである。
実は、こっからがドラッカーの凄いところです。当時の世界最強の企業に対して、ドラッカーは、36歳にして以下のような提案を実施しています。
- ドラッカーが、GMの「分権制の組織と原理」を優れた完成型と分析、賞賛する一方で、「マネジメントというものは、20年もすれば時代に合わなくなりうるものであって、4年間にも及ぶ戦時生産から平時生産への移行に際しては、あらゆる経営政策を見直す絶好の機会だ」と、指摘した
- シボレー事業部はフォードやクライスラーより大きく、それ自体が米国最大の企業だった。そのため、反トラスト法違反で訴えられたこともあり、受身の経営になりがちだった。そこで、シボレー事業部、そして他の乗用車事業部、トラック事業部も独立させ、反トラスト法に制約されることなく、互いを競争させることを検討してはどうか。
- 労働力はコストではなく資源として捉えるべきだと提言した。経営と従業員との関係の基本は、仕事と製品に誇りを持ちたいという従業員の意欲に置くべきだとした。
当然、当時のGM経営幹部は全てを受け入れませんでしたね・・・しかも、60年も以前に指摘されていながら、倒産する直前まで、まったく姿勢を崩さなかった!ある意味、ドラッカーよりも凄いかもしれませんね。
トレンド
アメリカ, ピーター・F・ドラッカー, 自動車産業

いわゆる古典を読むことに興味が湧いてきて、以前から読んでみたかったピーター・ファーディナンド・ドラッカー[1]氏の著者。さて、何から読もうかと迷った挙句、デビュー作から読み始めるのが「筋」と勝手な自覚から、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー著「ドラッカー名著集(9):「経済人」の終わり」(ダイヤモンド社:2007年11月)
を選定、読了しました・・・
これって「読了」と表現しても良いものかな・・・「読了」ってどういう意味でしょうかね。今回は、文字を最後まで追ってみました、という程度です。実は、この本、ドラッカー氏が29歳の時に世間に発表されたそうですが、その内容の濃さに唖然!これが29歳の人間の書く内容かよ、とちょっと驚愕しました・・・
時代背景が大きく影響しているとしても、内容が正しいかそうではないかを考えずとも、やはり「天才」という人格者は存在するのだな、と改めて思い知らされました・・・
目次を列記すると・・・
第1章 反ファシズム陣営の幻想
第2章 大衆の絶望
第3章 魔物たちの再来
第4章 キリスト教の失敗
第5章 ファシズム全体主義の奇跡|ドイツとイタリア
第6章 ファシズム全体主義の脱経済社会
第7章 奇跡か蜃気楼か
第8章 未来
ビジネスというより、経済学の世界といった感がありますが如何でしょう。ファシズム、全体主義、ナチ、軍国主義、ブルジョア資本主義・・・キーワードをあげていけばきりがありませんが、まるで経済学史的な内容です。
こうした古典は、一旦読んで終わり、といった類の本ではないことを思い知りました。歴史的背景をきちっと理解した上で読み進めることが必要で、特に経済動向や産業動向を理解しないと楽しめないかもしれませんね。ただ、著書の中に、関連する年表が掲載されていますので、それなりに理解できるとは思いますが。
驚き!?は、ピーター・ファーディナンド・ドラッカーという人、オーストリア生まれなんですね!これって常識ですか・・・私は、てっきりアメリカ生まれのアメリカ人かと思っていました。最近興味があるフリードリヒ・ハイエクもオーストリア!(投稿記事、「ハイエク知識社会の自由主義」を参照下さい)しかも全く同じ時代を生きていることも私にとっては興味深い。
オーストリアという国・・・友人のオーストリア人もいるし、ちょっと詳細に知りたくなってきました。
脚注:[1]
1909 – 2005。20世紀から21世紀にかけて経済界に最も影響力のあった経営思想家。東西冷戦の終結や知識社会の到来をいち早く知らせるとともに、「分権化」「目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」など、マネジメントの主な概念と手法を生み発展させたマネジメントの父。
書籍読後感
ピーター・F・ドラッカー

最近、個人的に注目している池田信夫氏の池田信夫著「ハイエク知識社会の自由主義」(PHP新書:2008年9月)
を読了。「知識社会」こそ我々コンサルタントが注視すべき内容だ、といった理由で読み始めたという表向きの理由がありますが、本音は、「あまりにも経済に無頓着だった・・・」ってところかな。
池田信夫氏御本人のブログである「池田信夫 blog」は、投稿記事を読んでいると本当に「強気」で、上から目線での表現方法が何とも違和感があると共に、コメントにおいては、何とも賛否両論の意見が多くて・・・とてもじゃないけど、池田氏の書籍何て読む気がしなかったのですが。挙句の果てに、「池田信夫 blog::金融工学は専門家だけにまかせるにはあまりにも重要だ」の冒頭に「当ブログ(池田信夫 blog)は、経産省やNHKなどから「有害サイト」指定を受けて見られなくなっている」なんて記述があって、ちょっとその思想に不安があったのですが。
ただ、投稿記事に対する御自身のコメントを読んでみると、何とも想像しがたいような辛口でいて人間味のある表現に激変している・・・投稿記事の表現方法とコメントでの表現方法を効果的!?に変更していらっしゃる!更に、「フリードリヒ・ハイエク::Friedrich August von Hayek」に関しては、絶賛していて研究を積み上げているように感じられました。
どうせ経済学をやるなら、ちょっとでも興味が湧いた池田氏の著書でも読んでみようかと考えたわけです。そして・・・池田氏が、著者の冒頭で以下のように記述しています。
ハイエクの本は、よくも悪くも専門的な経済学や法学の本ではないので、文体は平易であり、基本的な発想を理解すれば、あとはその論理的な展開として素直に読める。本書の読者が、ひとりでもハイエクの本を読んでみようという気になれば、本書の役割は達成される。(p.8)
あちゃ~私のような「浅知恵」のコンサルタントが、この新書を読んでもうちょっとハイエクを勉強してみたいと感じてしまったから、この新書の目的は達成されてしまった、ということになるんですよね!
とにかくこの新書、池田氏のブログからは想像できないほど平易に書かれている!経済学に関する古典を読まずとも、ハイエク周辺の思想の流れは大まかですが掴むことができます。ちょっと、経済学に関するありとあらゆる著名人が登場するので、それだけでもかなり勉強になりますが、興味がないとまったくチンプンカンプンになるかも。
フリードリヒ・ハイエクは、経済学上は「オーストリア学派」だそうですが、何と近代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーもオーストリアがベースです。しかも、同じような時代に生きている!「これも何かの縁」なんて変な感動があって。両者共に「反ケインズ」を主張しているし、「人間中心」の思想のようだし。本当に興味津々です。
良い刺激を頂いたような、最近には珍しく「勉強意欲」を掻き立ててくれた一冊ですね。
知識
ピーター・F・ドラッカー, フリードリヒ・ハイエク, 池田信夫
ちょっと遅くなりましたが、先週の日曜日の朝日新聞・・・つまり、2009年1月11日の朝日新聞朝刊の Opinion という特集が掲載されました。どうやら73年前の大恐慌下で、経済学で多大な影響を与えた「一般理論」を公開した「ジョン・メイナード・ケインズ::John Maynard Keynes」が、そして「マネジメントを発明した」とされる「ピーター・ドラッカー::Peter Ferdinand Drucker」 が、今の大不況時に何を提言するか、といった内容でした。既に、御存知の方が多いでしょうけど。
「不況の経済学、積極財政と言えばケインズ」だそうで、50年以上もケインズを研究している京都大学名誉教授の伊東光晴(いとうみつはる)氏のインタビューが掲載され、また、生前、ドラッカー本人が「私の分身」と言わしめた上田惇生(うえだあつお)氏のインタビューが掲載されていました。
まっ、「派遣切り」とかリストラといった事項が問題視されていますから、ドラッカーは、再度日本型経営、つまり終身雇用や年功序列といったものを再度見直せ、と主張するのでしょうね。特に、ドラッカーの経営の神髄、「組織はすべて、人と社会をよりよいものするために存在する」が引用されているのを見ると、納得できるような気もしますが・・・
ケインズに関しては、2つのモデルが示されていて、今後そうしたモデルを参考にすべきでは、と主張しています。1つは、「かつてニューディール政策が作り出した中産階級社会への復帰」、そしてもう一つは、「付加価値税で福祉社会を支えている北欧モデル」だそうでして・・・まさに「二極化」した高収入層へメスを入れろ、と主張しているのでしょうか。
どうも私のような若い!?コンサルタントにとっては、ピンとこない感じがしますが、どうなんでしょう。まさにその通り、と考えるのは・・・いったいどうなる日本。ただ、ドラッカーとケインズは、おさえておく必要がありそうですよ。
雑学
ジョン・M・ケインズ, ピーター・F・ドラッカー, 上田惇生, 伊東光晴, 朝日新聞
【追記:2009年03月02日】
ピーター・ドラッカーの処女作は、「「経済人」の終わり」だそうで、1939年、ドラッカーが29歳の時だったそうです。処女作がどうして下記で「第9巻」になっているかは不明ですが、ドラッカーは、最近の金融危機や保護主義が騒がれている中、またケインズ経済学の復興なんていう市場を考えると、全集の中から「「経済人」の終わり」を最初に読もうかな、と考えています。
ドラッカーは、「反ケインズ派」とか「個人」を重視した哲学を貫いたと認識していますし、今の金融危機における企業や組織のあり方に関するヒントがあるかもしれませんね!
【公開時における投稿記事】
昨日の朝日新聞朝刊の読書ページにちょっと気になる記事がありました。「10年後、20年後に役に立つドラッカーの名著を集結」といったような本の紹介。これまで、コンサルタントのくせにドラッカーの本は眺めただけ・・・時代があるビジネス本ほど役に立たないものはない、と信じていたから。それでも気になっていたのですが、やっぱり読み切れていない。
出版社は、生前のピーター・F・ドラッカーと実際にリストを作成し、名著集を集約した、という鳴り物入り!?のシリーズ。その名も、「ダイヤモンド社::ドラッカー・エターナル・コレクション」!ちょっとリストすると・・・
- 経営者の条件
- 現代の経営〔上〕
- 現代の経営〔下〕
- 非営利組織の経営
- イノベーションと企業家精神
- 創造する経営者
- 断絶の時代
- ポスト資本主義社会
- 【読了:読了後感想】:「経済人」の終わり
- 産業人の未来
- 企業とは何か
- 傍観者の時代
- マネジメント[上]課題、責任、実践
- マネジメント[中]課題、責任、実践
- マネジメント[下]課題、責任、実践
第4巻の「非営利組織の経営」はどうなんでしょうね!?本当に役に立つのかな。あんまり深いことを考えない方が良いかもしれませんね。コンサルタントなんですから、有無を言わず、こうした本は揃えておく方が良いかもね。
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ピーター・F・ドラッカー
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