平川克美氏が主張するコンサルタントが見落とすこと
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平川克美著「ビジネスに「戦略」なんていらない」(洋泉社新書:2008年6月)
を読了。久し振りにビジネス書を読みましたが、この新書、本当に考えさせられことばっかりで、ちょっと感動しました!
「会社の哲学」、「ゴールとプロセス」、「日本型経営」、「人事査定」・・・キーワードは、いくらでも出てきますが・・・その深い洞察力は、素晴らしいの一言ですね。ソリューションばかりに注目がいくコンサルティングの世界に、こうしたコンサルタントがまだいらっしゃるというだけで、ちょっと嬉しくなります。
新書のタイトルは、「戦略なんていらない」という刺激的なものですが、著者である平川克美氏は、「戦略コンサルタント」といった看板を掲げているそうで、「戦略」そのものを否定しているのではない、としています。では何を否定しているかというと・・・
本書の本当の批判の対象はまさに戦略的な思考を含む「思考の方法」ということであり、それを論ずるためにはいったん今の思考の枠組みというものを「脱構築」してゆく必要があった・・・(p.243)
アメリカ型経営での「戦略」とか「戦術」といった思考方法に疑問を呈しているのですが、昔のような日本型の経営もまた限界に来ているという視点も存在していて、新たな経営思考が必要、と謳っているのも重要なポイントですよ。
新書の中では、コンサルタントへの提言もいくつかあります。
企業を立ち上げてゆくプロセスで最も重要な課題のひとつは、創業者ひとりのアイディアをチームのアイディアに変えていくということです。つまりは、「組織」を生成していくプロセスこそが、スタートアップ企業が企業として成長してゆくための中心的な課題であると言えます。(中略)多くのコンサルタントや大企業をスピンアウトした経営アドバイザーが見落とすのは、その組織生成のプロセスの重要性なのです。(p.90 – 91)
以前は、「コンセンサス」とか呼んで、上記のような組織生成のプロセス(企業成長の過程を含めて・・・)におけるチームのアイディアの整合性の重要性をうたっていたこともあるのですが、上記のように記述されていると、ふう~っとそうしたことが欠落してしまっていることに気が付かされます。
更に、コンサルタントに関して・・・
バブルと日本的経営の絶頂期の80年代、失われた10年の90年代、そしてITバブル、ネットバブルの2000年代初頭から一気に長期停滞となるポストITバブルの時代。さまざまな言葉が無反省に、特に米国から輸入というやり方で躍ったわけです。そして今は、戦略、MBA、MOT です。
大学を出て2年ほど学んだだけで、企業の何かがわかったつもりでいる、若いコンサルタントやベンチャー経営者に対して、今、君たちが使っている言葉もまた、すぐに新しい言葉に置き換えられ陳腐化するのだと言っておきたいと思います。(p.115 – 116)
これも我々コンサルタントは、肝に銘じておく必要がありますよ。ソリューションばかりを追っているコンサルタントは特に、欧米からの輸入に頼っていると、直ぐにソリューションは陳腐化して、どんどん本質を見極めることをしないで、新しいソリューションを追う・・・そんな繰り返しをしていても、いづれは行き詰る・・・そんなことを十分に理解しておく必要があるんです。




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